『左近の桜』『右近の橘』 前編
カバー(画像):「しぶしぶ」さん作(ありがとうございます)
もうすぐひな祭りですね~!
※弥都波能売神(みづはのめのかみ)
※左近の桜
※右近の橘
※うれしいひなまつり
参考URL:『暮らしを便利にもっと豊かに』より(ありがとうございます!)
※肌色(英会話にも役立つお話!!)
ということで、ひな人形の飾り方は
基本、お内裏様、お雛様目線での “かみしも(上手下手)” を考えると
それ以外の人形の配置も理にかなうようです・・・
『官女(かんじょ)』とは、天皇・皇后の住まいである内裏(だいり)に仕える女性のことで、平安時代には「女官(にょかん)」と呼ばれていたそうですが、明治時代以降は「女官(じょかん)」という呼び名に統一されたそうな
ですから、『官女(かんじょ)』は正式な呼び方ではなかったようですね~
挿絵(画像):「実鈴」さん作(ありがとうございます)
・我々から向かって左端の「加えの銚子(ちょうし)・提子(ひさげ)」を持っている官女
加えの銚子(ちょうし)・提子(ひさげ)とは、注ぎ口が付いた小鍋のような形をした金属製の容器のこと
中にお酒を入れ、向かって右端の官女が持つ長柄銚子(ながえちょうし)に移すための道具であり、その役どころから、お内裏様・お雛様側からみて、右側に配置。序列としては3位(一番しもて)
・中央で「三方(さんぽう)」を持っている官女
三方(さんぽう)とは盃を乗せる台のこと
ひな飾りでは、年長のリーダー的存在である官女が持ち、ひな壇でもこの官女のみ座っているケースが多く見られる。役どころの序列としては2位(年功序列では1位)
ちなみに、年長である証拠として、中央の官女だけ眉毛がなくお歯黒の容姿をしており、これは彼女が既婚者であることのしるし。つまり、眉毛があり、口の中も黒くない両端の官女は未婚の女性であることがわかります※是非、ご自宅のひな人形で確認してください!
・我々から向かって右端:「長柄銚子(ながえちょうし)」を持っている官女
長柄銚子(ながえちょうし)は、加えの銚子(ちょうし)・提子(ひさげ)によって移されたお酒を盃に注ぐための道具
3つの道具の中で、お内裏様やお雛様から最も近く酌(本酌)をするため、格が高い役どころとされ、お内裏様・お雛様側からみて、左側に配置。序列は1位(一番かみて)
三段目、『五人囃子(ごにんばやし)』の持ち物と役どころ(序列)
雛飾りでは、お内裏様とお雛様の結婚式の宴をイメージしており
『五人囃子(ごにんばやし)』は、その宴に唄や舞、演奏を披露し、盛り上げる役どころである
通常子供のようにあどけない顔に作られており
本来、貴族等名士の子息で、元服を控えた11歳~16歳くらいの少年がモデルとされている
我々から向かって右から
・謡い(うたい)
・横笛(よこぶえ)
・小鼓(こつづみ)
・大鼓(おおつづみ)
・太鼓(たいこ)
の順で、左へ行くほど音の大きい楽器になっていきます
つまり、一番難しいとされる役どころ、唄や舞(踊り)をする、謡い(歌手)がお内裏様・お雛様からみて左側(かみて)で、序列1位(やはり、ジャイアンじゃ困りますもんね~)
次に、楽器の中でも熟練を要する、横笛、小鼓(手でたたくもの)、大鼓(指革をつけてたたくもの)、太鼓(バチでたたくもの)と順に続きます!
以上、今回(前編)は
『ひな人形のお飾り』、各人形の役どころと序列(かみてしもて)
についてのお話しましたが
次回(後編)は、残りの人形である
『お内裏様』 『お雛様』 『仕丁(しちょう・じちょう)』 の役どころと序列
これには、関東風雛と京(関西)風雛の違いがあることと
日常、何気ないところに “かみしも(上手下手)” の慣習が残っていることについて
お話させていだきます!m(__)m