What was it ???(あれ、なんやったっけ???)

ふと疑問に思ったこと、ど忘れしたことを、過去・現在その時に調べた内容をあてもなく書き留めた『雑学日記』

犯罪は学習されるもの

1月15日、大学入学共通テストの試験会場近くの路上で、受験者3名が刃物で切りつけられた

殺人未遂容疑で高校2年の少年が逮捕

また、現場近くの駅構内の複数ヵ所で

着火剤のような物が燃える不審火が確認されたこともわかった

逮捕された少年が「火を付けた」とも話しており、

警視庁は放火など他の方法でも無差別襲撃を計画していたとみて調べている

 

『犯罪は連鎖する』

犯罪は伝染する』

私にとって、とても違和感のあるフレーズ・・・

・こういった事件が起きるたびに巷でよく聞かれる(発信するメディア共感する人々)

・このフレーズでいつも事件を締めてしまうような感じで、なにか釈然としない(オカルトチックで非科学的で無責任)

 

いつもの癖で調べてみた・・・m(__)m

 

そもそも「連鎖」や「伝染」という言葉の意味とは

連鎖(れんさ)

・物事が互いにつながっていること。また、そのつながり(つながっているとすればその原因は何か?)

・同一の染色体上にある二つ以上の遺伝子が一緒に次代に受け継がれる現象(犯罪者は遺伝するのか?)

伝染(でんせん)

・病原体が他の生物体に入り、増殖して病気になること。感染(犯罪は病原体で感染するのか?)

・物事の状態・傾向などが他に移って同じような状態が起こること(移る要因とは何か?)

参考文献:goo辞書より(ありがとうございます)

 

生まれながらの犯罪者がいる

実際にこういった研究をされた方がいた!びっくり

犯罪学の父といわれた19世紀のイタリアの犯罪学者※ロンブローゾ(1835-1909)

彼曰く、犯罪者には身体上にある種の特徴がみられ、「隔世遺伝」だとした(生来性犯罪説

※ロンブローゾ 参考URL:Wikipediaより(ありがとうございます)

チェーザレ・ロンブローゾ - Wikipedia

 

現在、この犯罪者の遺伝的特徴を求める研究や説は根拠のないものとして否定されている。

が、いまだ生き続けている・・・何故???

 

「近年急速に発展している生物学的犯罪学の成果を多岐にわたり紹介」

 

「犯罪の原因を何とか説明したい」

「犯罪者に生物学的な特徴を望む」

人々が多い

・(異常な)犯罪が起きたとき、人々は不安になり、その原因について説明を求める気持ちになる

・(異常な)犯罪に人々は、「不可解さ」 「あいまいさ」を感じ、それから逃れるために、単純で極端な答えを求める傾向がある

・(異常な)犯罪に対して単純な理解を望む人々は、犯罪者に特有な身体的(生物学的)特徴を見い出したいという無意識の気持ちが働き、そうした理論を受け入れやすい

 

すごく理にかなっていて、自身心当たりもあるグッ

 

犯罪は学習されるものである

アメリカの犯罪学※E.H.サザーランド(1883-1950)は

社会は、犯罪を認めない(遵法)共同体(集団)と、認める(違法)共同体(集団)で分化(組織)され、人間はその分化した共同体に接触し、そこから学習することで、遵法的、違法(犯罪)的な行動をとると考える。と説いた(分化的接触理論

 

つまり、犯罪は遺伝ではない

機械について学んでいない者には機械は発明できないように

犯罪行動も学習せずには作り出せない

 

※E.H.サザーランド 参考URL:Wikipediaより(ありがとうございます)

エドウィン・サザーランド - ウィキペディア (wikipedia.org)

 

また、アメリカ社会学者で犯罪学者の※D.グレーザー(1918-2017)は

単に違法共同体(犯罪者や犯罪集団)に接触するだけでなく

自分の犯罪行動を認めてくれる人や集団(あこがれの対象)に

自分自身を同一化させることで、初めて犯罪行動が生まれる。とのことを説いた(分化的同一化理論

※D.グレーザー 参考URL:Wikipediaより(ありがとうございます)

ダニエル・グレーザー(社会学者) - ウィキペディア、無料の百科事典 (wikipedia.org)

 

『犯罪は連鎖する』  『犯罪は伝染する』 のニュアンスは

まさにこの(生物学的ではない)理論からきてると思う・・・

 

模倣犯

コピーキャット

本や映画でも有名になった言葉・・・

マスコミ等で報じられた事件やフィクション作品中の犯罪手法を真似た犯罪

またはその犯人のことを指す。外国では、コピーキャット(Copycat crime)ともいう

 

京都アニメーション放火殺人事件犯人

俺の作品をパクった」 「盗用された。京アニ許せなかった※事件直後に取り押さえられた際の言葉と逮捕後の供述

「仕事で理不尽な扱いを受けた。社会で生きていくのが嫌になった」※2012年にコンビニ強盗をし、その逮捕後の供述

 

京王線放火・刃物殺傷事件犯人

「仕事を失って嫌になった。友人関係がうまくいかないので、死にたいと思った。2人以上殺して死刑になりたかった」

「平気で人を殺す※ジョーカー憧れていた。事件のために買った勝負服だ」※共に逮捕後の供述

※ジョーカー 

アメリカコミック 「バットマン」に登場する架空の悪役の名前

・2019年に同名で映画化。R指定映画として初めて興行収入が10億ドルを超え、それ以外に社会問題となった作品

【本映画に関するコメント】

・この映画は衝撃だ。たとえ暴力シーンがなくても、汚い言葉がなくても、これは確かにR15+だ。万民に勧められる映画ではない。映画を観ながらそう思った。しかし観終わった時、万民に勧めたい、そう思わせた映画だ

・映画館が子供に映画を見せないようにと警告

・映画公開後、ニューヨーク市警察が厳重な警戒態勢映画に影響され犯罪に走る人を懸念し、アメリカでは異例の犯罪注意警告

参考URL:Wikipediaより(ありがとうございます)

ジョーカー (映画) - Wikipedia

 

九州新幹線放火犯人

「死にたいが死にきれない」※事件前に知人に話していた言葉

京王線の事件をニュースで見て、まねしようと思った※逮捕後の供述

 

大阪北新地ビル放火犯人

「皆に縁を切られた」※事件前に周囲にもらした言葉

「死ぬ時くらい注目されたい※携帯の検索履歴等で残っていた言葉

 

東京焼肉屋立てこもり犯人

「定職についたことがなく、ホームレス生活をしている間に生きている意味が見いだせず、大きな事件を起こして死刑になりたかった。警察に捕まって、人生を終わりにしたかった」逮捕後の供述

 

そして今回事件を起こした犯人の供述

「俺は東大を受験するんだ!」※犯行前に叫んだ言葉

「勉強がうまくいかず事件を起こして死のうと思った」※逮捕後の供述

 

 

模倣犯」の取りうる行動パターン

1. マスコミで報じられた犯罪を細部まで真似て事件を起こす

2. 報道内容に触発されて類似の犯行に及ぶ

3.既に犯行の計画(準備)がおこなわれている段階で、報道内容を参考にし、手順などを一部変更する

 

 

模倣犯」に共通する精神状態

1. 自己起因にもかかわらず、他人や社会のせいにして逆恨みする傾向がある

2. 絶望感を味わい、自暴自棄になり、復讐願望を抱く

3. 社会から孤立して、自分の不幸さを責任転嫁している

 

 

(異常な)犯罪を起こした者に

精神鑑定をおこない、責任能力の有無を判断しますが

犯罪は「行動」である

犯罪行動の原因に「無意識」はない・・・そうな

・犯罪は目に見えて、他者に影響を与える行動。心の状態それ自身(心に思うこと)が犯罪ではなく、心の過程が行動として外に表れ、他者に影響を与える(社会的)行動である

人々は、人間の行動原因を現実世界の影響よりも「無意識」、「心の闇」や「運命(境遇)」等に求めたがる傾向にあり、人間の行動を理解する上で「無意識」という概念は大きな役割を果たす。が、実際の行動の原因がすべて「無意識」の世界にあるとは考えないそうな(納得そして賛同)

 

最後に

殺人未遂容疑で現行犯逮捕された少年が通う学校が16日、「学校としておわびする」とのコメントを出した

新型コロナウイルス感染拡大の影響で授業や一部の行事がオンライン形式に変更され、「孤立感にさいなまれて自分しか見えていない状況の中で引き起こされた」と推測した

当初学校は、今回の事件を「身勝手な行動と言動」と表現。授業などで繰り返し発信してきたが、「勉学だけが高校生活の全てではないというメッセージ」が届いていなかったと釈明。「私たち教職員にとっても反省すべき点だ」と陳謝したそうなプンプン

 

今後の真相究明と公正な司法の判断を仰ぐばかりです・・・

 

アメリ犯罪心理学の決定版テキスト」

「日本でのプロファイリングがいかなるものか?実績のある方の著書」

カバー画像:「いらすとや」さん作 (ありがとうございます)

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